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海外の日本庭園、再生へ 進む荒廃、国交省の計画始動

 海外に500以上あると言われる日本庭園。外国人にも愛されてきたが、維持や管理が難しく、放置されているところも少なくない。こうした荒れた庭園を再生し、日本の魅力を伝える拠点にしようという取り組みが、国土交通省で始まった。
 日本庭園が海外で初めて造られたのは1873(明治6)年、当時の政府がウィーン万国博覧会に出展したものとされる。以降、欧米などでの日本ブームのもと、個人の日本庭園が相次いで生まれ、現在では100以上の国や地域にあると言われる。戦後の友好親善の証しとして、各地の公園などに造られた。
 ところが、技術力不足などから、適切な剪定(せんてい)がされずに樹木が肥大化したり、灯籠(とうろう)が崩れたりして、今では荒廃した庭園が数多くある。国交省が昨年度、在外公館を通じて調べたところ、修復や剪定、植え替えが必要な庭園が40ほどあったという。
 海外の日本庭園は、現地の日本人会などが茶道講座や祭りといったイベントの会場としても使ってきた。日本文化の発信拠点でもあることから、各地の日本人会や庭園の管理者から修復の相談が在外公館に寄せられていた。そこで国交省は今年度、再生プロジェクトのモデル事業として、米・カリフォルニアとルーマニアの庭園計2カ所を対象に選んだ。現地調査を実施し、11月以降に日本の造園業者を派遣して修復作業に着手。併せて、現地の業者向けの講演会やマニュアルづくりも行い、庭園を維持できる体制を目指すという。
 同省の脇坂隆一・国際緑地環境対策官は「日本の民間業者が海外の庭園再生を支援する枠組みづくりにつながってほしい」と話している。

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