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“しま模様”の魅力、発信 水月湖の「年縞」語る 福井で国際シンポ /福井県

 国内外に「年縞(ねんこう)」の魅力を発信しようと、若狭町と美浜町にまたがる三方五湖の一つ水月湖の年縞を取り上げた国際シンポジウムが17日、福井市宝永3丁目の県国際交流会館であった。約250人が訪れ、同時通訳を通して海外の研究者の講演などに聴き入った。
 県が若狭町で整備している年縞研究展示施設(仮称)が、来年開館するのを記念して企画された。湖底の堆積(たいせき)物に1年1層ずつしま模様が形成された年縞からは、昔の湖周辺の様子や気候などが分かる。2006年の調査では、7万年分にあたる約50メートルの年縞が採取された。
 アジアで初めて年縞を発見した、ふじのくに地球環境史ミュージアム(静岡県)の安田喜憲館長が基調講演。「1991年に研究を始め、しましまの模様が年縞と分かるのに2年の歳月がかかった」と振り返り、「今でも水月湖では年縞が作られているが、どうしてできるのかは分からない。(新しい施設で)研究を続けていただきたい」。
 続けて、英オックスフォード大のヴィクトリア・スミス准教授(火山学)が記念講演で、年縞の価値について「(木の)年輪に似たものだが、年縞は保存状態が良いため、年輪よりもっと昔までさかのぼれる重要なものだ」と話した。
 その後、「年縞の保全と活用」と題したパネルディスカッションも開かれた。

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