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水生昆虫、バケツの水だけで生息判定 特有のDNA検出 兵庫県立大など発表

 水生昆虫の「ヒメタイコウチ」が生息しているかどうか、バケツで水をくんで調べるだけで判定できるとの研究結果を、兵庫県立大などのチームが発表した。ヒメタイコウチは兵庫県や奈良県、和歌山県などで絶滅危惧種に指定されており、今後の調査への活用が期待される。
 ヒメタイコウチはカメムシ目の昆虫で体長約2センチ。東海、近畿、四国地方に生息するが、湿地の埋め立てによる生息場所の減少が指摘されている。
 兵庫県立大の土居秀幸准教授(生態学)らは、兵庫県と愛知県の14カ所の湿地などでそれぞれ1リットルの水を採取。水中に含まれる生物のふんなどの「環境DNA」を分析した。その結果、ヒメタイコウチが捕獲された場所では、いずれも特有のDNAを検出できたという。
 土居さんは「環境DNAの研究は魚類や両生類で盛んだが、小さな水生昆虫でも有効なことが示せた。希少種だけでなく、外来種の分布確認にも生かしたい」と話している。

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