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美肌の湯、動物もすべすべ 保温効果30分以上 山口大教授実証 

 温泉の美肌効果は人間だけでなく、動物にもある。そんな研究成果を、山口大共同獣医学部の木村透教授のチームがまとめた。カピバラやモルモットを使った実験を重ねた結果、肌の状態アップを示すデータが得られたという。14日に鹿児島大である日本獣医学会学術集会で発表する。
 実験で使ったのは、山口市の湯田温泉の湯。アルカリ性で、とろっとした手ざわりで「美肌の湯」として知られる。秋吉台サファリランド(山口県美祢〈みね〉市)に協力してもらい、園内で温水に毎冬つかっているカピバラ6頭を3週間借りた。高温多湿の南米に生息する動物で寒さや乾燥に弱く、冬は皮膚が荒れやすいという。
 水温39~41度の温泉を用意し、屋外でカピバラを入浴させた。その後、酸性かアルカリ性かを示すpH(水素イオン濃度指数)を検査し、温度もサーモグラフィーで測った。その結果、入浴後の保温効果が30分以上続き、pHも上昇し、皮脂がとけて肌がすべすべになる美肌効果が確認されたという。モルモット12頭の実験は温泉と水道水で比べたが、同様の傾向だった。
 木村教授の専門は実験動物学。3年前に愛知県から山口市に引っ越し、湯田温泉に魅せられた。あまり例のない動物実験で温泉効果を実証したいと考えたという。
 実験中にカピバラが浴槽を飛び出したり、雪や強風に見舞われたりしたこともあった。ただ、普段の実験より動物へのストレスは少なかったはずだという。木村教授は「気持ちよく湯につかってくれて、お互いにくつろいで実験できた」と笑顔で語った。

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