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ライチョウ今年度繁殖12羽 人工飼育、全国で計26羽に

 絶滅が心配されている国の特別天然記念物ライチョウの繁殖事業について、環境省が今年度の結果をまとめた。繁殖に取り組む施設で今夏に計60個の産卵があり、22羽が孵化(ふか)。うち10羽はヒナの間に死んでしまったが、現在12羽がすくすく育っている。
 ライチョウは高山帯に生息する鳥で、開発で生息地が減ったり地球温暖化ですみやすい地域が狭まったりし、絶滅が心配される。1980年代には約3千羽と推定されたが、2000年代には2千羽弱に減ったと推定されている。
 そこで環境省は15年度から、人工飼育事業を始めた。乗鞍岳で野生の卵22個を採取し、繁殖に取り組んできた。
 今季は上野動物園(東京都)、富山市ファミリーパーク(富山県)、大町山岳博物館(長野県)の3施設にいるそれぞれのつがい1組が計60個の卵を産んだ。卵の移送を受けた那須どうぶつ王国(栃木県)なども含め、22羽が孵化したが、10羽は2週間以内に死亡し、現在はオス4羽とメス8羽の計12羽が育っている。
 16年度までの結果と合わせると現在、上野動物園で8羽、富山市ファミリーパークで10羽、大町山岳博物館で7羽、那須どうぶつ王国で1羽の計26羽が育っている。

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