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温暖化、欧州の洪水に影響 国際研究チームが発表

 地球温暖化の影響で、欧州では半世紀の間に河川で洪水が起きる時期が変わってきたとの分析結果を、オーストリアや英仏などの国際研究チームが米科学誌サイエンスに発表した。洪水の予測が難しくなり、農作物被害や水力発電の運用など、経済や環境に大きな影響が出るおそれがあるという。
 河川の洪水による被害は世界で毎年1千億ドルに上るとされる。欧州を流れる河川もたびたび洪水を起こしてきたが、温暖化の影響ははっきりしていなかった。1960~2010年の38カ国の観測データを調べた結果、欧州の北東部では気温上昇が早期の雪解けにつながり、春の早い時期に洪水を引き起こしていた。西部のポルトガルから英国までの北大西洋沿岸では、土壌の水分量が増えて雨水が地面に吸収されにくくなり、洪水の起きる時期が50年間で少なくとも15日早まった。北部では冬の嵐の発生時期が遅くなった。北極圏の温暖化の影響とみられる。嵐の発生が遅くなったことで、北海沿岸の観測所の半数で洪水の起きる時期の遅れを記録した。50年間で8日遅れるようになったという。

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