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水田の水、生息寄与 氷見市教委、天然記念物イタセンパラ調査

 氷見市の万尾(もお)川など国内の一部にしか生息せず、絶滅の恐れがある国の天然記念物の淡水魚「イタセンパラ」について、氷見市教育委員会などは、水田からプランクトンを含む水が万尾川に排水されることで、イタセンパラの生息に必要な環境が整えられているとの調査結果をまとめた。18日に会見した同市教委の西尾正輝主任学芸員(37)は「コメ作りがイタセンパラの保護につながっている」と話す。
 イタセンパラは体長6センチほど。同市教委などは2010~12年、万尾川水系の720カ所の環境を調査。川から水を田に引き入れ、その水をまた川に戻している同市十二町地区周辺では、イタセンパラやえさとなるミジンコなどが多く見つかった。特に田植えの5~6月に多く見られたという。一方、水田の水を川に戻していない場所では、イタセンパラはほとんど確認されなかった。また河川敷の雑草が適度に刈ってある所の方が日当たりが良く、稚魚が多く生息することもわかったという。
 西尾さんらは、イタセンパラの個体数は河川周辺の水田面積や草刈りによって決まるとする論文をまとめ、7日にオランダの農業誌の電子版で発表された。

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