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シロアリ兵隊アリの「分化抑制フェロモン」を特定

シロアリは働きアリの体内で幼若ホルモンの濃度が上昇すると兵隊アリに分化する。しかし、兵隊アリの割合が増加すると、新しい兵隊アリの分化が抑制されることが知られており、兵隊アリが「分化抑制フェロモン」を分泌していると予測されていた。京都大学農学研究科のグループは、このフェロモンを世界で初めて特定した。この成果は英国王立協会紀要(Proceedings of the Royal Society B)に掲載された。

 

研究グループは、日本に広く分布するヤマトシロアリの巣から兵隊アリと働きアリを取り出し、それぞれの体表面にある物質を有機溶媒で抽出。ガスクロマトグラフ質量分析などを用いて成分を調べ、(−)-β-エレメンと呼ばれる炭素数15個の揮発性のテルペン類(植物や昆虫、菌類などで広く生合成されている生体物質)が、兵隊アリでのみ大量に検出された。これを働きアリに与えたところ、兵隊アリへの分化を抑制する効果があることが明らかとなり、さらに働きアリを集合拘束させる効果や、昆虫病原糸状菌(昆虫に感染し死に至らしめる菌類)の成長を抑制する効果もあることがわかった。シロアリにおいて、巣内の役割分業がどのように制御されているのかを示す重要な発見で、社会性昆虫の進化の理解に役立つ成果となった。

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