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在来ヒルが侵略的外来ナメクジを食べる!?

体長 10〜15 cm ほどになり、豹柄(ひょうがら)が特徴的なマダラコウラナメクジは世界的に分布域を拡大している侵略的外来種の一つだ。日本では2006 年に茨城県で最初に発見されてから長野県、福島県などでも見つかり、2012 年には北海道でも確認された。2016 年2 月と10 月にマダラコウラナメクジが報道された際,北海道大学大学院農学研究院森林生態系管理学研究室の森井悠太研究員が一般市民への情報提供を呼びかけ、届いた情報から北海道内におけるマダラコウラナメクジの現在の分布域と分布拡大の経過の把握を試みた。

 

その結果、分布が確認されていた北海道内の2 地点(札幌市円山公園付近、江別市江別太付近)以外にも岩見沢市、北広島市、芦別市、八雲市、室蘭市、島牧村に分布していることが明らかになった。目撃情報の多くは札幌市とその隣接した地域に集中していたが、芦別市、八雲市、室蘭市、島牧村はそれぞれ遠く離れており、最初の発見から非常に短い期間で道内の広域に分散しつつあることが示された。

 

さらに札幌市西区で撮影された写真には、体長10 cm ほどのカワカツクガビルがマダラコウラナメクジを捕食する様子が写っていた。カワカツクガビルはミミズのみを捕食すると考えられていた。この発見は新たな外来種に対して在来の生物がいかに対応するのかという保全生物学的な課題に、また専食者(ごく特定の獲物のみを捕食する生物)がどのように餌資源をシフトするのかという進化生物学的な課題に、興味深い知見を与えるものと考えられた。

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