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九州北部豪雨で、ため池が下流の被害軽減に貢献

農研機構は7月の九州北部豪雨災害を受けて、7月12日から14日にかけて福岡県朝倉市内の13カ所のため池を九州農政局、福岡県と合同で現地調査した。その結果、流域で発生した土石流の影響や河川の浸食の影響で、一部のため池では決壊等の重大な被害が発生する一方で、上流からの土石流を池に貯留して下流の被害軽減に貢献したため池もあったことが分かった。被害軽減事例の概要は次の通り。

①今回多くの被害が報じられた福岡県朝倉市山田地区の鎌塚ため池においては、上流からの土石流や流木と山の神ため池の決壊土砂が鎌塚ため池の貯水池に流入し、設計より高い貯水位となったが、決壊を免れた。貯水池および洪水吐下部には土砂や流木が大量に堆積しており、山田地区への土砂・流木の流入を大きく軽減したと考えられる。

②福岡県朝倉市杷木地区にある梅ヶ谷ため池では、上流の山腹から大量の土石流と流木が貯水池に流入したが、洪水吐の水路周辺の軽微な損傷にとどまった。ため池が砂防ダムの役割を果たし、下流の住宅等への被害を大きく軽減したものと考えられる。同様に土砂を受け止めて、下流の住宅への被害を軽減したと思われるため池が、今回の九州北部豪雨において複数存在した。

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