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ヤクシカの食害で屋久島の植生荒廃 世界遺産地域科学委で報告

 世界遺産・屋久島で登山道の荒廃やヤクシカによる貴重な植物の食害が進んでいる――。こんな現状が2日、学識経験者や行政の関係者ら約40人が出席して開かれた「屋久島世界遺産地域科学委員会」で報告された。
 昨年度、環境省は宮之浦岳や永田岳などに通じる4本の登山ルートの状況を調べた。その結果、淀川登山口から宮之浦岳を経て、縄文杉に続くルートで荒廃が激しく、35カ所で浸食や崩落などを確認。6年前の6カ所から大幅に増えた。
 林野庁が続けるモニタリング調査では、高山から海まで自然の植生が残る西部林道地域で、絶滅危惧種のヤクタネゴヨウにシロアリの被害が拡大。ヤクシカによるトクサランやツルランなどの食害がすべての標高帯で広がり、回復していなかった。ヤクシカが侵入した高層湿原の花之江河(はなのえごう)などでは、ミズゴケ群落の裸地(らち)化が進んでいた。
 1日にあったヤクシカに関する同委員会と県の合同会議では、ヤクシカの推定個体数などが報告された。それによると、昨年度は約1万7千~2万8千頭で、2年前(約2万8千~4万5千頭)に比べ大幅減少。有害捕獲数も約3300頭で、2年前と比べて約2千頭減った。
 1~2日の会議で、委員からは「捕獲数が減っているのは、警戒心が強くなっているためかもしれない」「高層湿原に植生の保護柵を設置しても、ヤクシカが柵の中に入ろうとして周辺を踏み荒らす可能性がある」などの意見が出たという。

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