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クロマツ林、学び守る 遊佐・藤崎小児童らに林野庁長官賞 庄内砂丘での活動

 遊佐町立藤崎小学校(全校児童135人)の児童たちが、森林病虫獣害防除活動優良事例コンクール(全国森林病虫獣害防除協会主催)で最高の林野庁長官賞に輝いた。クロマツの林に学んで林を守る、地元の庄内砂丘での活動が評価された。
 今年度で23回目となる同コンクールでは、同小の校外学習で講師を務める住民組織「砂丘地砂防林環境整備推進協議会」(佐藤豊昭会長、約1500戸参加)が、7年前に同じ賞を受けており、息の長いクロマツ林の保全活動が地域に2度の栄誉をもたらした。佐藤会長は「子どもたちと祝賀会を開きたい」と大喜びしている。
 評価された児童たちの取り組みは総合学習の時間を使った通年活動。まず、学校の西にある砂丘で、樹齢300年と樹齢60年のクロマツの違いなどから地域の歴史を学ぶ。
 周辺は、戦乱や塩製造で伐採され、砂漠化して飛砂に苦しめられた。江戸時代の中ごろに佐藤藤蔵らが苦労の末に植林に成功したのが樹齢300年のクロマツで、第2次世界大戦の混乱で再び荒れ、戦後に植林されたのが樹齢60年のクロマツ林になったという。佐藤会長は、植林をした藤蔵の子孫にあたる。
 そのクロマツ林では現在、マツクイムシ被害が猛威をふるっている。児童たちは、クロマツの苗を植え、枝打ちや下草刈りをして新たな林を育てている。
 コンクール事務局によると、小学校が長官賞を受賞するのは同校が初めて。白林和夫校長は「これまでの活動が評価され、これからの活動を期待されていただいた賞だと思う」と話している。

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