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ため池稲作「農業遺産に」 比企の3市5町、登録目指し推進協

 人工のため池を水源とする稲作が盛んな比企地方の3市5町が、「比企丘陵農業遺産推進協議会」を立ち上げた。ため池稲作農法が地域に独特な農村文化や自然を生み出している半面、高齢化などで衰退の危機に直面しているとして、日本農業遺産や世界農業遺産への登録を目指す。

 この地方の河川から遠い地域では、水源をため池に頼る農業が盛んで、始まりは古墳時代にさかのぼるともいわれる。池は、地面を掘らずに地形をいかして、わき水をせき止めたり、起伏を土手でつないで雨水をためたりするのが特徴。貯水量1千トン以上のため池だけでも、3市5町の範囲に計約350あるとされる。
 このうち約110のため池があり、1千トン未満も含めると約200あるという滑川町が昨年、周辺の首長らに提案し、東松山市、熊谷市、深谷市、嵐山町、小川町、吉見町、寄居町が賛同した。埼玉中央などの農協も加わった。
 7日に発足した協議会の設立趣旨書によると、ため池稲作農法は、水利調整のほか、土手を補修したり、草刈りなどの保守をしたりする「沼普請」、水を抜いて沼底を浚渫(しゅんせつ)する「沼さらい」の共同作業などを通じて地域コミュニティーを作り出している。また、国指定天然記念物の淡水魚ミヤコタナゴ、国蝶(こくちょう)のオオムラサキなど生物もはぐくんでいる。
 一方で、滑川町の担当者は「この伝統的農法が危機にあり、遺産登録と保護が急がれる」と話す。宅地開発や高齢化で、同町では2015年までの5年間に、農家が166軒から126軒へ急減。「ため池の維持は集団作業なので、人手が減ると沼底が浅くなって貯水量が減り、作物に影響する。ため池農法が壊れてしまう」という。
 協議会では、各市町が共同して登録申請書の作成に取り組む。遺産登録の必要性を証明するため、それぞれの歴史、ため池による耕地面積や農村文化、自然環境などを調査することにしている。また記録や証言を集めるため、住民の賛助会員も募る。

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