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「せっけん運動」未来へつなぐ 琵琶湖発40年、29日に記念集会

 1977年、琵琶湖で大規模な赤潮が発生したのをきっかけに、滋賀県で合成洗剤の使用をやめる「せっけん運動」が広がった。40周年の節目を迎え、運動を知らない世代が中心になり、せっけんの良さを再認識して循環型の暮らしを呼びかける活動を始めた。29日には大津市で記念集会を開く。
 NPO法人・碧(あお)いびわ湖は2009年に発足。滋賀県環境生協の事業を引き継ぎ、家庭から回収した天ぷら油が原料のせっけんを販売している。代表理事の村上悟さん(40)は「地域ぐるみで油を集め、せっけんをつくり、使う。理想的な循環型の事業」と話す。
 しかし、売り上げは低迷し、回収する油の量も減った。せっけんを販売する他の団体も高齢化などの課題を抱える。40年前、運動の中心の一つだった県地域女性団体連合会は約6万人いた会員が激減し、昨年は800人だ。村上さんは赤潮から40年を機に、せっけんを見直す活動を模索。5団体に呼びかけ、キャンペーンの実行委員会を設けた。
 メンバーの多くは、当時のせっけん運動を知らない30~40代。キャンペーンでは、せっけんの使用を促すとともに、運動について語り合うイベントを企画した。その一つが29日の記念集会「びわ湖発。未来のセンタク」だ。
 「洗濯」と「選択」をかけたネーミングの集会では、三日月大造知事や環境生協理事長を務めた藤井絢子さん、琵琶湖の漁師らがパネル討論。コーディネーターの村上さんは「漁獲高が低迷するなど琵琶湖の環境は40年で豊かになったとは言えない。せっけんを入り口に、持続可能な循環型の暮らしを選択するよう促したい」と話す。
 集会は午後1時から、大津市におの浜1丁目のピアザ淡海で。参加無料。問い合わせは実行委事務局の碧いびわ湖(0748・46・4551)へ。

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