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野生のメダカ、遺伝子ピンチ 観賞魚ヒメダカと交雑広がる

 観賞魚のヒメダカと河川や水路にすむメダカとの交雑が進み、両方の遺伝子をもつ個体が少なくとも19都道府県に生息していることが、近畿大の北川忠生准教授(保全遺伝学)らの研究チームによる調査で分かった。飼育しきれなくなったヒメダカが放流されるなどして、交雑が広がったとみられる。15日に大阪府で開かれる日本魚類学会の公開講座で報告する。
 ヒメダカは黄色がかった明るい体色が特徴で、観賞用に広く流通している。
 研究チームは、河川などに生息するメダカの遺伝子を国内の123地点で調査。東京都や大阪府、愛知県、奈良県などで、メダカとヒメダカの両方の遺伝子を持つ個体が見つかった。もともとメダカが生息していなかった北海道でも交雑個体が見つかり、19都道府県の計48地点で生息が確認された。
 野生のメダカは、「キタノメダカ」「ミナミメダカ」のいずれも、環境省のレッドリストで絶滅危惧2類に指定されている。北川さんは「野生のメダカの遺伝的な多様性を守るために、もともとその地域に生息していないメダカの放流は絶対にやめて欲しい」と話している。

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