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白神のシンボル、ブナ巨木を治療へ 「衰弱」診断、土壌を改良

 白神山地の観光スポットにもなっているブナの巨木「マザーツリー」の樹勢が衰弱しつつあることが、県樹木医会の斎藤嘉次雄さん(69)の診断でわかった。同会とボランティア団体「津軽人文・自然科学研究会」は23日に治療を行い、樹勢の回復をめざす。
 マザーツリーは白神山地の津軽峠付近(西目屋村)にあり、高さ約30メートル、推定樹齢は400年以上。衰えを心配した同研究会の依頼で、斎藤さんが6月28日に樹勢や周囲の土壌を調査。樹形や枝の伸長量など12項目を分析した結果、現在の活力度を「健全」と「危険」の中間にあたる「衰弱」と診断した。
 斎藤さんが主な原因と見ているのは、観光客などに踏まれて硬くなった周囲の土壌。現在は北側に設置された木製デッキ以外は立ち入り禁止だが、設置前からの影響で北側から西側にかけての土壌の硬さが生育に支障を及ぼす水準になっているという。また、土壌の酸性度を示すpH値が4・0~4・5で、生育に適した5・5~6・0よりかなり高いこともわかった。
 診断を踏まえ、23日に行う治療では、硬い土壌を深さ10センチほど掘り返し、有機質改良材と活性炭を混入する。斎藤さんは「このまま放置すれば衰弱がさらに進行し、回復できなくなる。白神山地のシンボルツリーとして活用し続けるためにも、いま手を打つ必要がある」と話している。

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