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ヒアリ、怖がりすぎず侮らず 通常の殺虫剤「効果期待」/刺されたら受診を

 強い毒を持つ外来種のヒアリが、国内各地で見つかっている。国や自治体は定着を防ごうと駆除に力を入れる。殺虫剤の注文が相次ぎ、子どもたちに「アリに触れないように」と呼びかける動きも出始めた。
 「コンテナの中でアリが見つかった。ヒアリか確認してほしい」。3日午後、東京港・大井埠頭(ふとう)(東京都品川区)のコンテナ業者から、環境省に連絡が入った。コンテナは中国本土から香港を経由して運び込まれ、業者が点検中に1匹を発見。さらに100匹以上が見つかった。5月下旬以降、兵庫県や愛知県、大阪府でも確認されている。
 専門家などによると、ヒアリは南米原産で腹部に毒針がある。貨物にまぎれるなどして米国や豪州、中国などに生息域を広げてきた。数カ月ほどで巣が作られ、3年ほどで女王アリが飛び立って巣が拡散する。定着すれば駆除は難しい。2004年と06年に見つかったニュージーランドでは、定期的な調査や一般からの情報提供が早期発見につながり、根絶に成功したという。
 殺虫剤メーカー「フマキラー」には「市販の殺虫剤はヒアリにも効くのか」といった問い合わせが相次いでいる。同社は、「通常のアリ用殺虫剤でも効果が期待できる」としている。アース製薬も、6月後半のアリの殺虫剤の出荷量が関西エリアを中心に前年同期比で倍増し、7月に入って関東でも同様の傾向だという。
 環境省は、熱湯や薬剤で駆除できるとしつつも「特徴がわかる写真を撮って地元の自治体か環境事務所に連絡を」と呼びかける。
 品川区は7日、区内の小中学校や保育園、幼稚園に「アリを素手で捕まえたり触ったりしない」「散歩を控える」などと注意喚起した。一方、横浜港そばにある保育園の園長は「外遊びや虫遊びは子どもにとって貴重な体験。制限しすぎるのも良くない」と話す。
 刺されるとどうなるのか。九州大の村上貴弘准教授(行動生態学)は「火の付いた線香の先を押しつけられたような痛み」と表現する。10年に台湾でヒアリの巣を調査中、左手首を4、5匹に刺された。吐き気や手の震えなどの症状が出たが、安静にしていると30分ほどで治まったという。「症状には個人差があり、死亡するリスクは低い」とするが、「刺されて具合が悪くなった場合は、医療機関を受診した方がいい」と言う。
 琉球大の辻和希教授(昆虫生態学)は、現時点で怖がる必要はないが、定着すればアリに触れさせない指導が必要になる可能性がある、と話す。「自然に対する子どもの好奇心は重要で、アリともなるべく仲良くなってほしい。徹底した防除対策が必要だ」と指摘する。

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