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閉校するけど「カワセミの池」残したい 長岡・中野俣小で最後の清掃

 来年3月に閉校する長岡市栃尾地域の市立中野俣小学校(笠井優子校長)で2日、探鳥会や水生生物の調査をしてきた学校裏の遊水池「カワセミの池」を児童や栃尾高校の生徒、地域の人が協力して最後の清掃をした。
 同校は1873(明治6)年創立。2004年の中越地震では木造校舎や体育館が被害を受けた。震災を機に集落を離れる人もおり、児童数は年々減少し、いまは9人が学んでいる。
 地震で荒れた池を老人会「吉野会」の協力を受けて児童らが復活させた。池にはカワセミなどの野鳥が姿を見せるようになった。里山の自然をいかして、「愛鳥モデル校」として取り組む探鳥会は半世紀以上にもなる。野鳥の餌場にもなっている池の水生生物を調査、記録に残してきた。活動は全国野生生物保護実績発表大会での環境大臣賞など多くの賞を獲得し、県内外で評価を受けてきた。
 この日は繁茂したスイレンや落ち葉、泥の除去などに泥だらけになりながら取り組んだ。池に入るのをためらう下級生には上級生が手を握って、一緒に作業をする姿も。卒業生でもある「吉野会」会長の金内忠司さん(78)は「閉校は寂しい。この学校の自慢は素晴らしい子どもたち」。
 6回目の清掃になる6年生の渡辺美空さんは「いまでは鳴き声で鳥がわかるようになった。みんなにとって大切な池ですが、餌を食べるカワセミにも大切な場所。池が残ってほしい。心を込めて最後のそうじをしました」と話していた。

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