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沖縄でもグリーンアノール拡大の危険

特定外来生物であるトカゲの仲間、グリーンアノールが沖縄島で分布を急速に拡大する可能性を、東北大学の河田雅圭教授らのグループが系統解析などの研究から示した。グリーンアノールは、小笠原諸島に1960年代に侵入後、急速に数を拡大し小笠原固有の生物の絶滅を引き起こすなど大きな影響を及ぼした。沖縄島では1989年に初めて移入が確認され、那覇近郊に高密度で生息している場所があるが、現在のところ大きな分布の拡大を見せていないが、捕獲や捕殺による早急な防除対策の実施が望まれる状況だと考えられる。

 

系統解析によると、沖縄島の個体群の移入元は、小笠原への侵入とは別ルートであり、フロリダ北部や北米内陸部の集団から移入した可能性が高かった。移入元の生息環境をもとに、沖縄島でのグリーンアノールの生息適地を推定した結果、島全域が適地とみなされた。特に生物多様性が豊かな島北部(やんばる地域)に侵入すれば、固有種の生物に大きな打撃を与えることになりそうだ。従って急速な分布拡大に至る前に、防除対策を徹底する必要がある。

 

この研究成果は、学術誌Ecology and Evolution 電子版に掲載された。

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