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自然を知ろう!検定に挑戦 初心者もプロも、レベルに合わせ

 新緑が美しい季節になり、野山に出かける機会が増えそうだ。自然との距離がもう一歩縮まれば、外出はもっと楽しくなる。生きもののことを詳しく知ってみたり、全国の自然を愛する仲間とつながったりするために、検定や資格などでレベルアップに挑戦してみませんか。
 身の回りの動植物などについての知識を問う「生物分類技能検定」。1999年に始まり、一般財団法人の自然環境研究センターが実施している。1~4級があり、1、2級は環境調査などを行う「プロ向け」。3級は「準プロ」、4級は「ビギナー」といった具合にレベルの目安がある。
 例えば、2016年度の3級にはこんな問題が出た。
 「昆虫ではない動物をひとつ選びなさい 1.ゲジ 2.ケラ 3.シラミ 4.ハサミムシ」
 正解は「1」だ。問われている生物の正しい絵や写真を選んだり、標本を見て写生したりする課題もある。
 これまでの受験者は約4万2千人、合格者は約1万3千人だ。一般向けの3、4級は、自然愛好家はもちろん、農業系の学校や企業のCSR部門などからの受験もあった。日本大学生物資源科学部は、10年ほど前から実習の中で3級か4級の合格を努力目標にしている。磯部勝孝准教授(作物学)は「農場実習の場で、作業をするだけではなく、植物に関する知識を習得する意欲も出てきた」と話す。
 2~4級は受験資格は不要。小学生の受験者もいた。自然環境研究センターの担当者は「『生きもの博士』『昆虫少年』などと呼ばれたことのある人、生きものが好きな人はぜひ受けて欲しい」と話す。
 森での遊びや学びに役立ちそうなのが全国森林レクリエーション協会の「森林インストラクター」だ。1991年度に始まった資格で、これまでに約2万人が受験、約4千人が合格した。樹木の種類や森の動植物だけでなく、森の成り立ちや林業、キャンプなどの知識も問われ、取得した人は自然ガイドやボランティアなどとして活躍しているという。
 筆記の1次試験と実技と面接がある2次試験の二段階で合格が決まる。同協会の木下喜博専務理事は「木に詳しいだけでなく、森の役割や森との付き合い方も分かっていることがカギ。ぜひ合格して森の大切さを多くの人に伝えて欲しい」と話す。
 資格ではないが、自然に親しむ人たちの先駆的存在が、日本自然保護協会の自然観察指導員だ。元々は自然保護運動に関わる人を増やし、自然を守る手段の一つとしようと、78年に始まった。18歳以上の人で、協会の講習会を受ければ登録できる。
 講習会では、生きものなどの知識を問うのではなく、地域の自然を見る目をどう持ってもらうかという点に力を入れる。全国に3万人近い登録者がおり、地域によっては自然観察指導員の組織もあってネットワークが広がるのも魅力の一つだ。同協会市民活動推進室の福田博一さんは「自然の大切さを地域の人に知らせるだけでなく、地域に異変があれば、全国の仲間に知らせて欲しい」と呼びかける。

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