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福島県内の森林内放射性物質の分布状況を公表

林野庁は、2011年度から森林総合研究所と連携し、福島第一原子力発電所からの距離が異なる福島県内の3町村(川内村、大玉村、只見町)において、森林内の土壌や落葉層、樹木の葉や幹など部位別の放射性セシウム濃度と森林全体の放射性セシウムの蓄積量を調査している。2016年においても8~9月に調査を実施し、過去の状況と比較した。

 

それによると、葉や枝、樹皮など樹木の部位別の放射性セシウム濃度は、2011年の調査開始以来、全体として低下傾向にあった。葉の濃度は2015年に比べて20~96%に低下。枝の濃度は2015年に比べ、大玉スギ林を除いて44~87%に、樹皮の濃度は只見スギ林を除いて63~90%に低下した。また、木材内部の心材と辺材の放射性セシウム濃度は全般に低く、2015年と比べて大きな変化は認められなかった。落葉層の濃度は、ほぼすべての調査地で2015年の46~85%に低下したが、葉や枝など他の部位より高い濃度となっている。土壌の濃度は、2015年までと同様、表層土壌0~5cmの層が最も高く、5cmより深い層は最大でもその5分の1以下で、下層にいくほど低下する傾向を示した。

 

また森林全体の放射性セシウム蓄積量は、いずれの調査地でも明瞭な変化傾向は認められなかった。分布については、樹木に蓄積する割合が減少し、落葉層や土壌に蓄積する割合が増加する傾向にあった。森林全体の放射性セシウムの蓄積量の変化は小さく、かつ大部分が土壌表層付近に留まっていることや、渓流水中の放射性セシウム濃度の調査結果等から、放射性セシウムは森林内に留まり、森林外への流出量は少ないと考えられた。

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