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移植水稲栽培で「雑草イネ」の発生を多数確認

水田に自生して雑草となる「雑草イネ」は減収や品質低下の原因となるため防除が必要だが、これまで国内では直播栽培の普及に伴い発生が増加していると認識され、田植えをする移植栽培ではほとんど発生しないと考えられてきた。しかし、農研機構中央農業研究センターが雑草イネの発生地区(27地区、8県)に聞き取り調査をしたところ、うち23地区では直播栽培をしたことがなかった。これにより、直播栽培のみならず移植栽培を含む全ての水田において、雑草イネへの警戒が必要なことが分かった。

 

雑草イネは、コシヒカリなどの栽培用品種と同じイネではあるが、籾が脱粒しやすい、赤米のものがあるなどの点で異なる。減収や品質低下の原因となるため防除が必要となる。放置すると種子が田に落ちて、翌年以降には数百倍に増殖し、被害が拡大していく。そのため雑草イネを発見した場合、速やかに対策を実施し、被害を防ぐことが重要となる。

 

現在広く使用されている水稲用除草剤では雑草イネに対する防除効果が不十分であり、さらに移植栽培においても雑草防除に十分な時間をかけることが難しくなっているため、移植栽培でも雑草イネが発生してきたと推定された。これらの結果を受けて、農林水産省「農業技術の基本指針」(2017年改訂)に雑草イネ対策の必要性が初めて記載された。

 

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