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サンゴ天敵オニヒトデ、仲間集めるたんぱく質 研究チームが特定

 サンゴを食い荒らすオニヒトデは、特有のたんぱく質を放出して仲間を呼び寄せることを、沖縄科学技術大学院大などの研究チームが突き止めた。今回の研究成果を応用すれば、オニヒトデを効率良く駆除する新たな手法の開発につながると期待される。英科学誌ネイチャーに論文が掲載された。
 オニヒトデによる食害は、海水温の上昇に伴う白化現象とともにサンゴを減らす大きな要因になっており、沖縄やオーストラリアなどで深刻な被害が報告されている。沖縄の海では、人の手で年間10万匹前後のオニヒトデを駆除しているが、とても追いつかないという。
 研究チームは、ゲノム解読によってオニヒトデが作り出すたんぱく質の種類を特定した。このうち、少なくとも6種類のたんぱく質は、産卵時期に海水中に放出することで、別のオニヒトデを呼び寄せるのに役立っているという。
 同大の佐藤矩行教授(動物比較ゲノム科学)は「オニヒトデ特有のたんぱく質を人工的に合成する研究も始まっている。将来は、オニヒトデをおびき寄せて集めることで、手間をかけずに駆除できるようになる可能性がある」と話す。

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