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自然界2世のトキ、2年連続ひな誕生

 環境省は28日、佐渡市の自然界でともに生まれ育ったトキのペアからひなが今年初めて誕生したことを確認したと発表した。40年ぶりに「自然界2世」が誕生した昨年に続き、2年連続の実績になった。トキの再生事業を目指す同省は「より自然に近い状態になってきた」と評価している。
 同省佐渡自然保護官事務所によると、23日、ともに足輪がなく、年齢不詳の雄と雌のペアから生まれたひな1羽が確認された。先月25日にコナラの木の巣の中で抱卵が確認されていた。
 自然界2世を含め、同市の自然界での繁殖状況は28日現在、営巣が確認されているペアが53組、うち13組でひなが生まれ、34組で抱卵が確認されている。
 国産トキは一度絶滅し、中国の協力で供与されたペアで人工繁殖を繰り返し、2008年から放鳥が始まった。現在、同市の自然界には約200羽が生息しているが、生存率は高くなく、1年以上生存するトキは約100羽という。同省は20年に220羽に増やすことを目指し、今後も放鳥を続けていく。
 同事務所の若松徹首席自然保護官は「順調に野生化に向かって進んでいて、今後も孵化(ふか)が続くとみられる。放鳥の継続と自然界生まれのトキを増やすことの両輪で目標に向かっていく」と話した。
 佐渡市の三浦基裕市長は「これまでのトキの野生復帰の取り組みが着実に実を結んでおり、野生化定着に向け、関係者と一緒に取り組んでいく」などとするコメントを発表した。

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