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ミャンマーで発見のツリフネソウ  大メコン圏の新種ハイライトで紹介

世界自然保護基金(WWF)が、大メコン圏(中国南西部を含む東南アジア大陸部)の特筆すべき生物多様性を紹介することを目的に毎年公表する「WWF新種レポート」の2015年分(2016年12月発表)に、国立科学博物館植物研究部の田中伸幸研究主幹が発見したツリフネソウの1種が取り上げられた。

 

この種は、Impatiens kingdon-wardii (インパティエンス・キングドンウォーディイ)。開花すると2枚の側萼片が花の上で左右に開いた状態になり、マウスの耳のような形になる。また花弁には棍棒状の突起がある。ツリフネソウ亜属Uniflorae 節に属する新種と判明しているが、他のツリフネソウの花には、このような突起は知られていない。今のところ、ミャンマー西部のビクトリア山周辺にしか知られていない。ビクトリア山は、過去に英国のプラントハンターとして名高いキングドン・ウォード卿が調査をしており、当時の標本を大英自然史博物館で調査したところ、1点だけ本種の標本が採集されていたため、種小名は彼の名にちなんで付けられた。

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