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水揚げ激減、嘆く業者ら イカナゴ、2年連続禁漁

 2年連続のイカナゴ禁漁が6日、決まった。「2年は続かないと思っていた。漁がない期間、一体どうすればいいのか」。漁業者だけでなく、水産加工業者からも嘆息が漏れる。
 「コウナゴ(イカナゴの地方名称)は一番あてにしている魚」と話すのは、丸八神保水産(鈴鹿市)の神保英樹社長(51)。加工したり、生で販売したりしていて、「漁に出たら欲しいという注文もある」と話す。3~5月にイカナゴの水揚げがないと仕事は激減する。去年は瀬戸内海産を買い付けるため、関西方面まで足を延ばした。
 「魚を取れない漁師は大変だが、我々も大変。つぶれる(倒産する)業者だっているとの話まで聞く」
 鈴鹿市漁協の直売所「魚魚鈴(ととりん)」でも6日、入り口に「お知らせ」の貼り紙をした。「今年も禁漁になり、残念ながら伊勢湾産こうなごは販売できません」。矢田和夫組合長は「例年、(イカナゴ販売を)楽しみにしてもらっているが、禁漁は資源を復活させるためにやむを得ない。来年に期待したい」と話す。
 多いときはイカナゴの1日の販売量が2トンに達するという海産物加工、販売会社の「まるかつ」(鈴鹿市)。毎年、家庭で「くぎ煮」を作るため、キロ単位で買い求めに来る客も多い。松林大樹店長(38)は「春を告げる魚なので楽しみにしている方が少なくない。他産地から買い付け、提供できるよう努力をしたい」と話した。

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