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温室トマトの受粉、日本のハチ使って 生態系脅かす外来種「20年までに半減を」 環境省など方針

 温室栽培トマトの受粉には外来種のハチではなく、日本のハチを使って――。環境省と農林水産省が生態系に影響を与える外来種「セイヨウオオマルハナバチ」の農業利用を2020年までに半減させる方針を決めた。クロマルハナバチなど在来種の利用を促すチラシを配り、補助金を活用して普及を図る。最終的には外来種の利用をゼロにすることを目指す。
 セイヨウオオマルハナバチは欧州原産で、国内では1992年に本格利用が始まった。それまで温室のトマト栽培は植物ホルモンなどを利用していたが、ハチによる自然受粉で手間や農薬が減ると歓迎された。
 だが、温室から逃げたか、利用後に放たれたハチが北海道で定着したのが確認され、06年に飼育が原則禁止となる特定外来生物に指定された。ただ、その後も許可を得れば利用は可能で、今も最盛時の約9割にあたる、年に巣箱6万個が流通する。
 一方、99年に利用が始まった在来種の流通量はその半分ほど。国の調査では、農家の間に「働きバチの寿命が短い」「農作物のできが悪い」などのうわさがあるという。環境省では「科学的に検証した結果、外来種も在来種も働きに差がない」としている。

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