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地球滅亡まで「残り2分半」 トランプ氏就任などで30秒進む 米科学誌「終末時計」

 米国の科学者らが毎年公表している地球滅亡までの残り時間を示す「終末時計」が2年ぶりに30秒進められ、残り2分半になった。核兵器増強を主張するトランプ米大統領の就任や北朝鮮の核実験、地球温暖化などを重く見た。米国と旧ソ連が対立した冷戦時代以来の深刻さという。
 米科学誌「ブレティン・オブ・ジ・アトミック・サイエンティスツ」(「核科学者紀要」の意味)が26日、発表した。考慮した昨年の出来事として、北朝鮮が2度の核実験を実施▽核戦力の大幅な増強や日本や韓国の核武装容認を示唆したトランプ氏の勝利▽シリアやウクライナ問題をめぐる国際情勢の不安定化▽地球温暖化の影響などを挙げた。
 終末時計は、原爆を開発したマンハッタン計画に参加した物理学者らの呼びかけで、1947年に始まった。滅亡の日を深夜0時に見立て、核戦争の危機が高まると針を進め、遠のくと戻してきた。米ソの水爆開発が本格化した1953年に過去最悪となる「残り2分」まで進んだことがある。
 ワシントンで記者会見したローレンス・クラウス博士(宇宙物理学)は、「世界の指導者たちは、核戦争や気候変動の危機に十分に対処できないばかりか、挑発的な発言や行動でリスクを高めてしまっている」と指摘した。

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