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日本の輸入、絶滅危機を悪化 アジアやアフリカのゾウ・ライオン…

 信州大学などの研究チームが製品やサービスの消費活動が絶滅が危ぶまれている生き物にどう影響しているのかを調べたところ、日本の輸入は東南アジアなどで絶滅の危機を悪化させる可能性が高いことがわかった。研究成果は、専門誌ネイチャーエコロジー&エボリューション(電子版)に掲載された。
 信州大学の金本圭一朗講師らは187カ国の1万5千以上の製品やサービスが、国際自然保護連合(IUCN)が絶滅のおそれがある生物をまとめた「レッドリスト」のうち約7千種の生態にどう影響するかを分析し、地図で示した。
 このうち、日本の消費活動については、木材や食料などを輸入するマレーシアやインドネシアなど東南アジアや、アフリカの生態系への影響が大きいことがわかった。
 木材やパルプ原料のために熱帯雨林が伐採されてすみかが失われ、マレーシアではアジアゾウやマレーグマ、インドネシアではトラや水牛の仲間が絶滅に追いやられている可能性が高いという。また、コーヒーや動物皮革などを輸入するエチオピアでは農業や牧畜、道路舗装などがライオンやアフリカゾウの絶滅の危機を悪化させる可能性が高いという。
 金本さんは「生物多様性を守るには、食料や木材を輸入する際に、どこでどのように栽培、伐採されたのか関心を持つことが大切だ」と話す。

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