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植物は病原体を兵糧攻め

植物に感染する病原体は、細胞間の隙間で植物が光合成で蓄えた糖を吸収して利用する。それに対抗するため、植物が細胞の糖吸収を増強させて細胞間の糖を回収し、病原体が糖を利用するのを阻害する機構を持つことを、京都大学や徳島大学などの共同研究グループが明らかにし、米科学誌Scienceに報告した。

植物細胞への糖吸収は脂質二重膜に埋め込まれている糖トランスポーター(輸送体)タンパク質によって行われる。グループはシロイヌナズナにおける糖吸収は、STP1、STP13の二つの糖トランスポーターによって主に行われることを突き止めていた。そこで、これらのトランスポーターによる糖吸収が病原細菌への抵抗性に関与するかを検証。特にSTP13糖トランスポーターの働きが高められて細胞間の糖含量を減少させ、その結果、病原細菌の増殖が抑えられることを明らかにした。細菌に限らず、他の植物病原体も糖を利用しているため、この防御機構は幅広い病原体に対して機能している可能性がある。

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