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ため池浄化作戦、成功 竹炭・微生物、硫化水素を撃退 遠賀川の水質向上へ期待

 遠賀川流域の環境団体などでつくる「飯塚川づきあい交流会」が、ヘドロがたまっている飯塚市のため池で浄化作戦に取り組んだ。竹炭と微生物を使って、異臭の原因となる硫化水素の発生を抑えることができたという。ほかの場所でも浄化を進め、遠賀川の水質を向上させたいという。
 浄化に取り組んだのは同市長尾のため池で、NPO法人日本環境監視協会(福岡市)の技術協力を受けた。
 交流会のメンバー「遠賀川流域住民の会」が竹林を間伐して作った竹炭を粉砕。酵母菌や乳酸菌などの溶液に1週間浸すと、竹炭の細かい隙間に菌が浸透する。その竹炭1・3キロを水溶性フィルムに入れた。
 4月に竹炭入りの12袋をため池の流入部に沈め、ヘドロから出る硫化水素の濃度を現地で10月まで測定した。その結果、4月に0・2ppmだった濃度は5月以降はほぼゼロになったという。
 遠賀川流域ではこれまで、流域住民の会が汚れた水路に竹炭を沈めて浄化を図ってきた。今回の活動では、細かく砕いた竹炭や、酵母菌などを使うことによって、簡単で短期間に効果を上げることができたという。交流会の野見山利三会長(68)は「ほかの地域でも試したい」と話す。

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