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製材最大手の中国木材、日向工場を増設へ

 製材最大手の中国木材(広島県呉市)が、国内最大の製材拠点である日向工場(宮崎県日向市)の製材能力を2倍に引き上げることを決めた。国産材の復調を追い風に大規模化に踏み切る。併設するバイオマス発電所の出力も1・8倍に増やす方針。総投資額は170億円にのぼる。
 同社の堀川保幸会長が明らかにした。日向工場は200億円を投じて2014年に操業を始めた。計画では18年に製材所を増やし、丸太の投入量を月7万立方メートルと、現在の2倍にする。また木質バイオマス発電所も19年に一つ増やし、総出力は3万2500キロワットとなる。
 日向工場は、スギの生産量が全国1位の宮崎県などおもに南九州から丸太を仕入れている。今後も増加が見込まれることから増設を判断した。
 国産材はこれまで、外国産材に押されて低迷してきたが、復調の兆しが見えている。02年に18・8%だった木材自給率も、15年には33・3%にまで回復した。中国の需要動向で外国産材の価格や供給量は、大きく変動する。一方、国産材は戦後に植えられたスギが伐採期を迎え供給が増えるうえ、製材の効率化で外国産材に価格で対抗できるようになったという。
 12年に国の再生可能エネルギー固定価格買い取り制度(FIT)が始まったことも追い風だ。製材所は、製材で出た木くずなどを燃料に発電・売電し、収益を上げるため木質バイオマス発電所を併設。生産者は、間伐材を製材所に売れるようになった。堀川会長は「日本の林業の将来を考えると、工場の大規模化と効率化が不可欠。この工場から輸出にも力を入れていきたい」と語った。

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