プルシアンブルーを使用したスポンジで被災地除染へ

プルシアンブルーは、放射性セシウムを選択的に吸着することが知られているが、水との親和性が高く環境へ溶出する問題があった。しかし、東大政策ビジョン研究センターなどの研究チームは、木材をもとにした繊維状のナノ材料セルロースナノファイバーを骨格にしたプルシアンブルーを化学合成することで、プルシアンブルーの水への溶出を防ぐことに成功した。そこで、これを添加したポリウレタンポリマーからスポンジ状の吸着剤、除染スポンジを作成したところ、純水・人工海水での除染効率はそれぞれ99.2、99.9%と高い性能を示すデータが得られた。これを用いて福島県内で実証実験を行ったところ、１カ月で放射線量を初期値の半分にまで引き下げる結果が得られた。使用済みの除染スポンジは、小さく圧縮して地下に埋めることになるが、将来的には、特別な焼却炉を用いて燃やすことも検討される。