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マレーシア植林、こつこつ1万本 旧県立三重農高の活動、元教師たち受け継ぐ

 熱帯雨林を再生しようと、大分市にあるNPO法人「緑の大地の会」が、マレーシア・サラワク州のボルネオ島北西部で植林活動を続けている。閉校した県立三重農業高の生徒らが始め、元教師たちが引き継いだ。NPOと学校と合わせて二十年余り、約30ヘクタールに1万本を植林した。
 緑の大地の会によると、植林活動は1995年、三重農高同窓会が開校100周年を記念して集めた寄付金の一部、約2千万円を基金にして始まった。
 熱帯雨林の破壊を少しでもくい止めようと、有志の生徒ら20人余りが毎年4~6日間の日程の植林ツアーでボルネオ島を訪問。エンカバンやカポールなどの在来種を植え、地元と交流してきた。生徒の旅費の半分は基金でまかなった。
 三重農高の植林活動は、州森林局の協力を得ながら2004年8月まで9回続いた。08年3月の閉校を機に、生徒たちの思いを引き継ごうと、元教諭たちがNPO法人を設立。理事長には、海外での医療教育に熱心な大分大名誉教授の寺尾英夫さん(69)を迎えた。
 緑の大地の会は年に1回ずつ現地を訪れ、これまでに計9回植林をしてきた。学生の参加者には、費用のおよそ半分を補助。10回目となる来年はツアーの規模を大きくし、記念碑も建てる予定という。
 理事長の寺尾さんは「日本から定期的に訪れて植林することで、現地の人にも熱帯雨林の大切さが伝わる」と意義を説く。
 今年8月18~22日にあった9回目の植林ツアーには、8~85歳の21人が参加。緑の大地の会事務局長の千鳥安雄さん(71)も現地を訪れた。元三重農高の教諭だ。「20年前に植えた木が高さ25メートル、直径30センチほどになり、種子をつけるようになっていた」と目を細めた。

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