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ニホンアマガエル、東と西で別々だった 500万年前に分岐、外見ほぼ同じ 広島大など調査

 日本国内に広く生息するニホンアマガエルが、近畿地方と中国地方の境目あたりで東西二つのグループに分けられることが、広島大とアジア・欧州の6カ国の国際研究チームによる遺伝子解析でわかった。国際専門誌に発表した。
 ニホンアマガエルは、体長3センチほどで、日本でもおなじみの緑色のカエル。日本以外に、ロシアや中国、韓国にも生息する。
 広島大の三浦郁夫准教授らは、国内各地で採取された約200匹の組織を使い、遺伝子の塩基配列を解析して比べた。その結果、三重県より東側(東日本)で見つかったカエルと広島県より西側(西日本)で見つかったカエルとでは、遺伝子の特徴が異なることがわかり、500万年ほど前に分岐したと推定された。
 なぜ近畿地方と中国地方の間が「分水嶺(ぶんすいれい)」になったのかは、チーム内でも見解が分かれる。この地域に浅い海が広がっていた時代があり、地形的に分断されたとする説と、大陸で互いに分岐した後に東西別々のルートで日本に入ってきたという説があるという。
 三浦准教授は「東西で見た目はさほど変わらない。遺伝的な違いもあまりないと思っていただけに明確な地域差があったのは驚きだ。別種に分類できる可能性もあり、繁殖期の鳴き声や交雑ができるかどうかを調べていきたい」と話す。

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