ニュースピックアップ
ニュースピックアップ

農業×発電=ソーラーシェアリング 小田原で休耕地活用 小泉元首相も応援

 太陽光発電と農業を同じ農地で営むソーラーシェアリングが、小田原市曽我岸で始まった。「営農型発電」のモデル施設として、県の補助金を受けて設置し、サツマイモを栽培しつつ売電する。
 9日の発電開始式には、自然エネルギー普及を唱える小泉純一郎元首相も応援に駆けつけ、「使われていなかった畑を生かし、自然の恵みの太陽光で発電する。自然エネルギーの普及で原発をゼロにする。環境を大切にする地産地消のより良い社会をつくろう」と述べた。
 市内でミカンなどを栽培する合同会社「小田原かなごてファーム」(浜田総一郎代表)が事業者。県から136万円の補助金を受け、農地約300平方メートルに、高さ2・5メートルの支柱を立ててソーラーパネルを設置した。発電容量は約15キロワットで、年間約40万円の売電収入を見込む。
 農地には曽我名産の梅の木を植えていたが、ここ2年間は休耕地となっていた。ファームの小山田大和さん(37)は「小田原の耕作放棄地を解消するモデルにしたい。農業とエネルギーを組み合わせ、農業の価値を高める」。発電施設の下でサツマイモを作る川久保和美さん(62)は「曽我の里を保全するきっかけになり、若者たちが誇りを持って引き継ぐことを願います」と話した。
 市によると、市内の耕作放棄地は2010~14年度、173ヘクタール~182ヘクタールで推移している。
 県農地課によると、県内で許可したソーラーシェアリングは6例目。ほかの許可地では、茶、シイタケ、ミカン、ミョウガなどが栽培されている。

PAGE TOP