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産業革命前から気温1度上昇 昨年の世界平均、過去最高

 世界気象機関(WMO)は8日、2011~15年の世界の平均気温が観測史上最高になり、昨年は産業革命前の平均からの気温上昇が初めて1度を超えたと発表した。地球温暖化対策の新たなルール「パリ協定」では気温上昇を2度未満、できれば1.5度未満に抑えることを目指しているが、余裕がなくなりつつある。
 モロッコのマラケシュで開かれている第22回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP22)で報告した。WMOのペッテリ・ターラス事務局長は「気候変動の影響は1980年代以降、世界規模で目に見えるようになっている。熱波や干ばつ、記録的な大雨や洪水などの危険性が増えている」とする談話を出した。
 WMOの報告によると、61~90年の観測データに比べ、平均気温は0.57度上昇したという。北極海の海氷が減り続けており、1年のうちで最も少なくなる9月でみると、81~2010年の平均面積に比べて28%少なくなった。また、海氷や陸上の雪が溶けることで海面上昇も続く。93年からの人工衛星の観測によると毎年3ミリずつ上昇。1900~2010年までの1.7ミリより加速化したとしている。

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