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世界遺産の審査件数、削減 ユネスコ、2020年登録から 推薦枠、1国1件

 ユネスコ(国連教育科学文化機関)の世界遺産委員会臨時会が26日、パリで開かれ、年1回の審査で扱う件数の上限を現行の45件から35件に減らし、1国の推薦枠を1件に制限することを決めた。登録がすでに千件を超えて、保全管理が行き届かなくなったり、資金が枯渇したりするのではないかとの懸念の声が関係国から上がっていた。
 変更は2020年の登録から適用されるため、17年に審査を受ける「『神宿る島』宗像(むなかた)・沖ノ島と関連遺産群」(福岡)、18年の登録を目指す「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」(長崎、熊本)は影響を受けない。ただ、世界遺産の国内候補にあたる暫定リストに載っている「百舌鳥(もず)・古市(ふるいち)古墳群」(大阪)、「金(きん)を中心とする佐渡鉱山の遺産群」(新潟)など、推薦を待つ案件の審議が遅れる可能性はある。
 世界遺産の登録件数は今年7月現在、1052件に上る。文化庁によると、すでに多くの世界遺産を持つ欧州などは、ユネスコの資金不足を懸念して削減に積極的だが、日本を含めて登録待ちの案件の多いアジアやアフリカ各国は削減に慎重な姿勢だった。
 ユネスコは04年、ガイドライン改定を行い、年1回の審査で登録する件数の上限を45件としたほか、1国の推薦枠を2件にしていた。

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