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森の落ち葉流出→周辺線量が上昇 宮城大教授が研究成果

 東京電力福島第一原発事故後に森林内部から落ち葉などが川へ流出し、周辺の放射線量を高めていた例があったとする研究結果を、原田茂樹・宮城大学教授(水環境工学)が発表した。原田教授は「川やため池などは生活の場でもある。森林からの流出への対策が必要だ」と指摘する。
 原田教授は、宮城県丸森町の森林周辺で空間の放射線量を2013年9月から定期的に計測している。
 放射線量は除染をしていなくても時間が進むにつれ自然に減少している。ところが、観測点の一つの渓流わきでは、茨城県で鬼怒川が決壊した豪雨直後の15年9月の計測で、3カ月前の毎時0・47マイクロシーベルトから0・51に増加した。その後、減少に転じたものの速さは緩やかになった。放射性物質の濃い落ち葉などが大雨で川に流れ出て、この付近に集まったと考えられるという。
 この研究成果は福島市で9月に開かれた水文・水資源学会で発表された。

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