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脱炭素条例案、提出へ 徳島県、定例議会に 全国初 

 徳島県は、温室効果ガスの排出を実質ゼロにする「脱炭素」を目指す条例案を、27日開会の定例議会に提出する。県によると「脱炭素」をうたう条例は全国初。水素エネルギーを活用するなどし、「世界のモデルになるよう取り組みたい」(飯泉嘉門知事)としている。
 「脱炭素社会の実現に向けた気候変動対策推進条例」案は、温暖化を遅らせる「緩和策」と、気候変動に備える「適応策」の二つが柱。県は省エネなどで低炭素社会を目指す「地球温暖化対策推進条例」を2009年に施行しており、これを進化させた。昨年末に採択された国際ルール、パリ協定が「今世紀後半の実質排出ゼロ」を掲げたことなどが後押しとなった。
 「緩和策」は、県民や事業者が省エネをより徹底し「脱炭素社会の実現に向けて意識の変革に努める」と掲げる。県が水素エネルギーの研究開発、実用化を進め、産業を後押しする、と規定。「適応策」の部分には、県が将来の気候変動の影響を調査研究し、農林水産分野の安定的な生産に努める、などと記している。
 県環境審議会は、二酸化炭素(CO2)をはじめとする県内の温室効果ガス排出量について、13年度の881万5千トンから30年度には40%削減する新たな目標の素案を今月、まとめた。
 世界自然保護基金(WWF)ジャパン気候変動・エネルギーグループ長の山岸尚之さんによると低炭素を掲げる条例はあるが、脱炭素という言葉は産業界などの反発もあり、盛り込むのは簡単ではないという。「条例をさらに踏み込んだ削減目標や削減計画につなげてほしい」と話す。

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