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クマ出没、初の警報 県、全県に注意喚起

 ツキノワグマの目撃や人身被害が多発していることを受け、県は1日、「ツキノワグマ出没に関する警報」を初めて出した。県警などの関係機関にパトロール強化などを求めるとともに県民にも注意喚起する。
 県自然保護課によると、4月から8月末までのクマの目撃件数は757件に上り、すでに昨年度1年間の325件の倍以上になった。人身被害も、5月20日~6月10日に鹿角市十和田大湯地区で4人が死亡したのを含め、死傷事故が17件発生しており、昨年度の8件を大幅に上回っている。8月だけでも9件の人身被害があった。
 クマの目撃は例年、山菜や木の実が山に少なくなる9月がピークになるため、目撃や人身被害は今後も増加する可能性があるという。危機感を強めた県は8月26日、県警や県内市町村、東北森林管理局などとの連絡会議で警報などの制度の導入を提案、運用を開始した。
 発令方法は「警報」と「注意報」の二つ。警報は、各月の目撃件数やクマの捕獲件数が過去10年平均の150%を超えた場合や、死亡事故などがあった場合に出す。
 警報より一段階弱い注意報は、目撃件数などが例年の125%を超えた場合や、エサとなる木の実が前年秋に多かった場合などに出す。木の実が豊作になると母グマの栄養状態が良くなり、子グマが増加、その結果、目撃件数が増える傾向があるためだ。
 今年度は目撃が全県に広がっているとして、警報は地区を特定せず、全県に適用し、クマの出没が減少する12月末まで続ける。
 同課は被害防止のため、「クマと出合わない、引き寄せない」ことを提唱。出没情報を確認し、単独行動は慎む▽鈴や笛、ラジオなどを身につけ、音を出しながら行動する▽子グマを見つけても、近くに母グマがいると考え、近づかないなどの方法をホームページ上で公開している。

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