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天神崎でサンゴ増加、海水温上昇が影響か 環境省調査へ

 昨年9月に吉野熊野国立公園に追加指定された田辺市の天神崎で、サンゴ類の生息数が増えている。自然保護団体「天神崎の自然を大切にする会」の理事らは「海水温上昇が影響している可能性もある」とみている。環境省は、近くサンゴの生息調査に乗り出す。
 長年、天神崎で自然観察会の案内をする同会理事の弓場武夫さんは、10年ほど前と海中の様子が変わってきていると指摘する。「以前は水深2~3メートルの浅い海域でテーブルサンゴなどを見掛けることはほとんどなかった」と話す。
 いまは泳がなくても磯の先端部から海中をのぞき込むだけで、テーブルサンゴの一種クシハダミドリイシやポリプの先端がイソギンチャクのようになっているハナガササンゴなどを簡単に観察できる。
 京都大瀬戸臨海実験所の久保田信准教授が京大防災研究所の測定した田辺湾の定置水温を基に算出したデータによると、最も低くなる2月の海水温が過去50年の平均と比べ、ここ10年、1・2~2・9度高く推移しているという。久保田准教授は「いろいろな条件が重なった結果かもしれないが、海水温が冬季に上昇しているのも大きく影響しているのだろう」と分析する。

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