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カブトガニ、謎の大量死 490匹、猛暑一因? 北九州・曽根干潟

 2億年前から生息し、絶滅危惧種に指定されているカブトガニ。国内有数の生息地の一つ、北九州市小倉南区の曽根干潟でこの夏、大量死が続いている。地元の保護団体によると、漂着する死骸は例年50~60匹ほどだが、今年はすでに490匹と、過去20年で最多。猛暑の影響を指摘する声もあるが、原因は不明だ。
 カブトガニの保護や観察に取り組む日本カブトガニを守る会福岡支部の高橋俊吾支部長(61)によると、死骸はカブトガニが本来なら休眠しているはずの1月から見つかり、6月下旬ごろから増え始めた。7、8月はさらに増え、多い日は1日に10匹以上が見つかったという。
 今年、曽根干潟に産卵に来たのが確認されたのは約2400匹。490匹の死骸は2割に相当し、高橋さんは「来年以降の産卵数が減らないか」と気をもむ。
 曽根干潟で調査を続ける九州大総合研究博物館の専門研究員、小池裕子さんは「見た目の健康状態は悪くない。温暖化による海水面の上昇、産卵場所の不足、栄養状態など、原因を慎重に考えないといけない」と話す。

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