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世界農業遺産「焼き畑」火入れ 宮崎・椎葉 【西部】

 世界農業遺産に認定された宮崎県椎葉村の山林で、山を焼いて畑を作る伝統農法「焼き畑」の火入れがあった。同遺産は伝統農法や農村文化の保全を図る国連食糧農業機関(FAO)が進めており、椎葉村などの山間地域は昨年末に認定。「遺産効果」も手伝い、3日の火入れには例年より多い約100人が見物に訪れた。
 火入れを行ったのは同村不土野日添地区の椎葉勝さん(63)の山林。焼き畑農法は、腐葉土に草木の灰をかけて栄養価を高めると同時に、害虫や病原菌を焼き払う。椎葉さん一家は、この農法を本格的に継承してきた全国でも希少な存在とされる。
 この日の作業には一家ら約20人が参加。火入れ前の神事では、勝さんが「このヤボに火を入れ申す。ヘビ、ワクドウ(カエル)、ムシケラども、早々に立ち退きたまえ」と唱え、山の神や火の神に作業の無事と豊作を祈った。
 場所は標高約900メートルの斜面約30アール。枯れた枝や葉、草にバーナーで火をつけ、枯れた竹の先で火をあちこちに広げると、パチパチと燃え上がった。
 その後、種まきも行った。1年目にソバ、2年目にヒエやアワ、3年目に小豆、4年目に大豆と輪作した後、20~30年放置して地力の回復を待つという。

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