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ライチョウ守れ、エサ植生調査へ 国など6月に 妙高・火打山

 国の特別天然記念物ライチョウの生息地を守れ――。環境省長野自然環境事務所(長野市)と新潟県妙高市は6月ごろ、ライチョウの北限の生息地である火打山(妙高市、標高2462メートル)で植物の生態調査に乗り出す。ライチョウのエサとなるコケモモなどの生育を阻害する植物が増えているため、植物の試験的な除去も視野に入れる。
 火打山は植物の採取が厳しく規制される妙高戸隠連山国立公園の特別保護地区。同事務所によると、特別保護地区内での植物の除去に乗り出せば、北海道のアポイ岳に次いで、全国2例目の取り組みとなる。
 同事務所などによると、火打山には、ライチョウのエサとなる高山植物のコケモモやガンコウランなど背の低い植物が繁殖していたが、近年は温暖化などの影響で背の高いイネ科の植物が増加。コケモモなどに光が当たらなくなってエサが減り、ライチョウの激減につながっている可能性があるという。ライチョウは北アルプスや南アルプスなどの高山に生息しているが、火打山の生息数は最も少なく、2012年の31羽から14年には17羽まで減っているという。
 同事務所は今後、6月ごろに3~4日間、山頂一帯で10メートル四方の調査区域を5カ所ほどつくって植生を調べる。1985年の記録と比べて植生の変化が明らかな場合、イネ科の植物の試験的な除去も含めた対策を検討するという。

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