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温暖化で損失、最大2662兆円? 世界の金融資産巡り推計

 温暖化が進むと、世界の金融資産に2.5兆~24.2兆ドル(約275兆~2662兆円)の損失が出る可能性があるとの推計を、英ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスがまとめた。パリ協定で合意した通り、気温上昇を産業革命前と比べて2度未満に抑えれば、リスクを大幅に減らせるとしており、金融機関に温暖化のリスクを織り込むよう促している。
 4日付の英科学誌ネイチャー・クライメートチェンジ(電子版)に掲載された。温暖化が進むと、気温上昇や、降水量の増加、干ばつなどの極端な気候が増え、生産性を下げるような直接的な影響がある。ただ、厳しい温暖化対策を取った場合、温室効果ガス排出の元となる石炭や石油、ガスなどの化石燃料権益が使えなくなる可能性がある。
 研究チームは、温暖化対策を強化せず、これまで通りの経済活動を続けて2100年に気温が2.5度上昇した場合、損失は最大24.2兆ドルに上ると試算。これは、現在の化石燃料会社の株価総額5兆ドルをはるかに上回ると推定している。一方、気温上昇を2度未満に抑えた場合には最大13.2兆ドルに低減できるという。

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