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稲作の農薬、トンボ悪影響 水田実験で生息数に差 国立環境研

 稲作で使われる農薬の中に、トンボの生息に悪影響を及ぼすものがあることを国立環境研究所(茨城県つくば市)のチームが実験で確かめた。屋外の実験用水田で無農薬栽培と比べるとトンボの幼虫(ヤゴ)の個体数が数分の1以下になったという。16日付の英科学誌サイエンティフィック・リポーツに発表した。
 稲作では、作物の根から吸い上げられ、食害した虫を殺す「浸透移行性殺虫剤」という農薬が広く使われている。毒性は低いとされているが、トンボなどの減少傾向との関係が指摘されるネオニコチノイド系の農薬も含まれる。
 チームは、4メートル×2メートル程度の八つの実験用水田を使い、ネオニコチノイド系など浸透移行性農薬3種類を使った場合と無農薬栽培とで生物の種類の変化などを比べた。その結果、無農薬の2カ所ではシオカラトンボの幼虫が26匹と18匹見つかったのに対し、農薬を使った6カ所では0~19匹。特にフェニルピラゾール系の農薬を使った2カ所は、2匹と0匹だった。
 同研究所の五箇公一主席研究員は「殺虫成分の水中濃度は分解して急速に減少したが、土壌中には長く残っていた。水底にすむヤゴが影響を受けた可能性がある」と指摘する。現在、農薬の環境への影響を評価するに当たっては、研究室の中で、限られた生物種を対象に毒性試験が実施されており、五箇さんは「屋外実験も活用したリスク評価が必要だ」と話している。

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