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ペットボトル素材、細菌もぐもぐ 定説「生物は分解できない」覆す 京都工繊大・慶大など【大阪】

 ペットボトルなどの素材として利用されているポリエチレンテレフタレート(PET)を分解して栄養源とする細菌を発見したと、京都工芸繊維大や慶応大などの研究グループが発表した。石油から作るPET製品は生物によって分解されないとされてきた定説を覆す成果だという。11日付の米科学誌サイエンスに掲載される。
 研究チームは、自然界にPETを分解する微生物がいないか探すため、ペットボトルの処理工場などでPETのくずを含んでいる土や汚泥などを採取。試料をPETフィルムと共に試験管で培養したところ、PETを分解する微生物の群れを発見し、PETを分解して生育する細菌だけを取り出すことに成功した。大阪府堺市で採取したサンプルから見つかった菌であることから、「イデオネラ サカイエンシス」と命名した。
 この細菌に含まれる酵素に関する遺伝情報を調べたところ、PETを好み、常温でよく分解する性質があった。最終的には二酸化炭素と水に分解した。京都工芸繊維大の小田耕平名誉教授は「利用できれば、少ないエネルギーで環境に優しいリサイクルが実現できる」。

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