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「哲学の木」苦渋の伐採 老化で危険、観光客マナーも一因 北海道・美瑛

 北海道美瑛町で「哲学の木」として観光客や写真愛好家らに親しまれてきた大きなポプラの木が24日、切り倒された。私有地の畑の中に立っていたが、老化に加えて、無断で入り込むなどマナーの悪い観光客らが増え、所有者の農家が決断したという。
 広くなだらかな畑の中に1本だけ立ち、何かを考えているかのように斜めに傾く姿から「哲学の木」と名付けられた。音楽グループ「ゆず」の映像作品に使われたこともある。
 関係者によると、老木となって枝が落ちたり倒れたりする危険があったうえ、観光客らに畑を荒らされる被害がなくならないことが背景にある。所有者は立ち入り禁止の看板などで注意を促し、数年前からは木の幹に×印をつけて撮影禁止にした。町も観光スポットのリストから外し、観光アドバイザーに巡回してもらうようにしたが、注意をしても無視するなどの行為が少なくなかったという。
 美瑛の観光客は、これまで年間130万人前後で推移してきたが、外国人観光客の増加もあって2014年度は過去最多の179万人に達した。他の観光スポットでも迷惑行為が増え、問題になっているという。

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