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古紙「何でも再生」工場 プラ・金属付きもOK、廃棄物ゼロ 静岡・富士市

 富士山の豊富なわき水に恵まれた静岡県富士市。製紙業が盛んな街で、プラスチックや金属が付いた紙でもリサイクルできる最新鋭の工場が稼働した。新聞・雑誌の発行部数の減少やペーパーレス化の影響で古紙の回収量が伸び悩むなか、資源を最大限に利用し、紙ごみの減量にも貢献する工場として注目されている。
 紙の専門商社大手、日本紙パルプ商事(東京)の子会社で、再生紙トイレットペーパー最大手のコアレックス信栄(富士市)。120億円を投じた新工場が昨年10月、本格稼働した。
 新工場は、プラスチックや金属が付いた古紙など「あらゆる紙」を再生紙の原料として受け入れるとうたう。1日に200トンの紙ごみを処理し、トイレ用ロール130万個、ボックスティッシュ15万個を生産する能力がある。
 内側にアルミが張られた酒類の紙パック、取り出し口にフィルムが付いたティッシュペーパーの箱なども、そのまま溶かして金属やプラスチックを分離できる。金属は業者へ売却し、プラスチックは自社工場の燃料として使用。廃棄物を出さない「ゼロエミッション」を実現している。経済産業省紙業服飾品課は「品質の悪い古紙でも再生できる国内随一の最先端工場だ。プラスチックなどもすべて再資源化できて、生産効率も高い」と話す。

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